DeepFakeをはじめ生成AIをPCで動作させるためには、ゲーミングPCが最適だといわれます。しかし、ゲーミングPCは十万円~百万を超えるものまで幅広い商品が存在します。
そこで、今回はDeepFakeをPCにインストールして使うことを前提としたPCのスペックと、実際に売られているPCを何点かご紹介します。
これから購入を検討されている方は、是非この記事を参考にしてください。
Deepfakeで必要なPCのスペック
ディープフェイクを含む生成AIのベースにある技術は深層学習(ディープラーニング)です。深層学習はCPUよりもグラフィックボード(GPU)の性能に大きく左右されるため、いかに性能の高いGPUを搭載するかがポイントとなります。
とはいうものの、GPUを制御するのはCPUの役割であるため、CPUにある程度の性能が無いと、GPUを100%使い切ることができません。
そこで、ディープフェイクをするために必要なスペックとして、次の内容を推奨します。もちろん下記よりも低いスペックでも動作する場合がありますが、処理速度が遅かったり制限が発生するため、本格的な利用ではお勧めしません。
項目 | 必要スペック |
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OS | Window10/11 |
CPU | Core-i 5 (第8世代)以上 AMD Ryzen 5 (Zen 2)以上 おおよそ2019年7月時点の最新PC |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | 250GB以上 |
グラフィックボード(GPU) | NVIDIA製 RTX3060以上(最低8GBのVRAM、12GB以上を推奨) AMD製、INTEL製は不可 |
ディープラーニングは脳の神経細胞(ニューロン)の動きを単純な数式(y = w × x + b)に置き換えたものですが、人間の脳には1000億以上の神経細胞があるため、それを模倣するのに大量の計算が必要となります。
この計算はもはや最速のCPUを用いても長時間掛かるのですが、グラフィックボードには単純計算を並行で行わせるCPUのようなもの(通称CUDA コア)が数千個搭載されており、これを利用することでCPUの処理と比較して数十倍の処理速度が実現できます。
グラフィックボード(GPU)のベンチマーク比較
生成AIではグラフィックボードが必需品となります。古いグラフィックボードでは性能の割に消費電力が多く、また搭載するVRAM容量も少ないため、お勧めできません。
以下は、「PC自由帳」ウェブサイトで公開されているNVIDIA製GPUのベンチマーク結果です。TDPやVRAM容量、価格も掲載されています。この中から可能であればVRAMが12GB以上のものを選択してください。
RTX-3060 にはVRAMが8GBの製品と12GBの製品が存在します。購入の際は値段だけを見ず、VRAM容量についてもご確認ください。
グラフィックボードを販売しているメーカーは NVIDIA、AMD、INTELなどがありますが、NVIDIA一択となります。これはNVIDIAがAIブーム以前から、自社製品に搭載されているCUDAコアをC言語から扱えるライブラリを提供していたからです。
AIブームになってからAMD、INTELもライブラリの提供を開始しましたが、時既に遅くNVIDIAが業界標準になった今日において、巻き返すことができませんでした。
DeepFakeに最適なお勧めPC
ここで紹介するPCは、予算とスペックを把握するための参考情報としてご活用ください。
ハイエンド
メーカー | mouseコンピュータ |
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OS | Windows 11 |
CPU | Core i9 14900KF |
メモリ | 128GB |
ストレージ | 2TB M.2 SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4090 (DDR6 24GB) |
電源 | 1200W |
最新かつ最上位グレードのCPU Core-i 9 14900KF に 128GB という大容量メモリ、NVIDIA の中で最も高性能な RTX 4090 (24GB)と十分過ぎる大容量電源を搭載したモンスターマシンです。
かなりお高いので気軽に買える代物ではないですが、ご参考まで。
OG-Tune FZ
(70万円前後)
メーカー | DELL 株式会社 |
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OS | Windows 11 |
CPU | Core i9 14900F |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4080 Super (DDR6 16GB) |
電源 | 1000W |
CPU、GPUともに最上位の製品より少しだけスペックを下げ、かつメモリを32GBにすることで、このクラスの中では低価格化を実現しています。購入時にCPU、メモリ、ストレージ、GPUをアップグレードできるため、自分の用途に合ったPCを手に入れることができます。
ミドルレンジ
メーカー | 日本HP |
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OS | Windows 11 |
CPU | Core i7 14700K |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 2TB M.2 SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070Ti (DDR6 12GB) |
電源 | 800W |
CPU、メモリ容量、GPUのランクを抑えることで、価格を安くしています。
OMEN 40L Desktop
(40万円前後)
メーカー | レノボ |
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OS | Windows 11 |
CPU | AMD Ryzen™ 7 7700X |
メモリ | 16 GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4070 (DDR6 12GB) |
電源 | 500W |
CPUにAMDを採用し、電源容量を低めに設定することで価格を抑えています。RTX 4070 の推奨電源は650Wなので要求は満たせていませんが、よほど高負荷な処理を長時間行わせない限り大丈夫でしょう。
ただし、より性能の高いGPUとの入れ替えは諦めたほうがよさそうです。
とはいえ、この性能でこの価格なら、十分お買い得感があります。
Lenovo Legion Tower 5 Gen 8
(20万円前後)
ローエンド
メーカー | DELL株式会社 |
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OS | Windows 11 |
CPU | Core i7 14700F |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4060Ti (DDR6 8GB) |
電源 | 1000W |
購入時にパーツ(CPU、メモリ、GPU)の選択できるので、予算に応じてスペックを上げることが可能です。電源容量にも余裕があるので、将来高性能のGPUに買い替えも安心です。最低価格(24万円)の場合は、RTX 4060 Ti の8GBモデルが選択されているため、予算があればワンランク上の RTX 4070 (DDR6 12GB)に変更しましょう。
メーカー | 株式会社アーク |
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OS | Windows 10 |
CPU | Core i5 14400F |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4060Ti (DDR6 8GB) |
電源 | 650W |
株式会社アークはパソコン工房を経営する株式会社ユニットコムの系列会社で、比較的バランスの良いゲーミングPCを販売しています。 CPUを Core-i5 にすることで低価格化を実現しており、生成AIにおいてはバランスが良いPCだと言えます。
製品名:arkhive Gaming Custom
(18万円)
まとめ
今回はDeepFakeなどの生成AIに必要なスペックと、具体的なPCについて紹介しました。生成AIの多くはCPUだけでも動作するので、時間さえ掛ければお試しは可能です。しかし、本格的に使用するとなるとグラフィックボード(GPU)が必須となります。
生成AIではGPUの性能に大きく依存しており、必ずしも高性能なCPUが必要なわけではありません。そこで、CPUを1ランク下げてGPUの性能アップに費用を使いたいところですが、残念ながら既製品はCPU、GPUともスペックが高く、それに伴い価格も高く設定されています。
これからPCを購入されるかたは、おおよそ20万円程度の予算を確保しておくのが良いかと思います。
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