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【最初の一歩】WinPythonの簡単インストール手順(スクリーンショットで解説)

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本記事では、WIndows 版WinPythonにおける最新バージョン/過去バージョンのダウンロード方法、インストール方法、インストールされるツール類について、スクリーンショット付きで解説しています。

WinPythonとは

Pythonを手軽に利用できるようにすることを目的に開発されたのがWinPythonです。
ポータブル版として提供されており、インストールする必要がないため、Python環境を構築する手間が省けます。
また、Anacondaのような科学計算やデータ解析に役立つライブラリと開発ツールをパッケージしたバージョンと、Minicondaの様にPythonの標準機能のみパッケージしたバージョンの2通りが用意されており、目的によって最適な方を選べます。

主な特徴は次の通りです。

  1. ポータブル
    インストールが不要で、USBドライブなどにコピーして持ち運べるため、複数のコンピューターで同じPython環境を使用できます。
  2. 完全な独立性
    WinPythonで作成したPython環境はフォルダ単位でまとまっており、完全に独立しているため、複数のPythonバージョンを1つのPCに共存させる場合でも、お互いに全く影響を与えません。
  3. バックアップやコピーの簡易性
    フォルダ単位でコピーするだけで簡単にバックアップできます。またコピーした後でフォルダ名を変えておけば、同じ環境をいくつも持つことができます。
  4. 完全なパッケージ
    Python本体に加えて、科学計算やデータ解析に必要なライブラリを含むパッケージが用意されており、すぐに使い始めることができます。
  5. 管理ツール
    環境変数の設定やパッケージの管理、仮想環境の作成などを行うための便利な管理ツールが提供されています。
  6. Windows向けの最適化
    Windows上でPythonの使用を最適化し、Windows固有の機能やリソースを最大限に活用します。

WinPython における通常版と軽量版の違い

WinPython には、機械学習ライブラリと開発ツールをパッケージ化した通常版(Anaconda相当)と、通常版から標準ライブラリ以外を削除した軽量版(Miniconda相当)の2種類が用意されています。

また、通常版と軽量版はファイル名の最後に dot が有るか無いかで識別することが可能です。

WinPythonの種類ファイル名のパターンパッケージの内容
通常版WinPython64-3.xx.x.x.exe機械学習に必要なライブラリと開発ツールがパッケージされたもの
ファイルサイズ:884KB(解凍後 4.66GB)
軽量版WinPython64-3.xx.x.xdot.exe通常版から標準ライブラリ以外を削除して軽量化したもの
ファイルサイズ:24.7KB(解凍後 132MB)

WinPythonのダウンロード方法

最新バージョンのダウンロード

次のURLをクリックすると、WinPythonの公式サイトに移動しますので、「Download」ボタンをクリックしてください。

https://sourceforge.net/projects/winpython/

過去バージョンのダウンロード

次のURLから過去バージョンのアーカイブページに移動できます。一覧から必要となるWinPythonバージョンのリンクをクリックしてください。

https://sourceforge.net/projects/winpython/files/

例えば、WinPython_3.11 をクリックした場合、次の画面に移動します。同じ3.11 でもマイナーバージョンがアップされているので、この中から更に必要なものを選択してください。

通常はここまで細かいレベルでのバージョン指定はされないので、一番最新のもの(一番上の 3.11.8.0)を選んでおけば問題ありません。

3.11.8.0をクリックすると、次の画面に移動します。ここでは通常版と軽量版の2つが表示されています。

必要な方をクリックすると次の画面に移動します。カウンタが0になったらダウンロードが開始されます。

WinPythonのインストール方法

ダウンロードファイル(EXE)をダブルクリックで実行すると解凍先のフォルダを問われますので、任意のフォルダを指定してください。何も指定せずに「Extract」をクリックすると、ダウンロードした場所に解凍されます。

あとは解凍が完了するのを待つだけです。軽量版はすぐに終わりますが、通常版は数分程度かかります。

解凍が終わると、次のフォルダ構成が展開されます。
通常版と軽量版の違いは「n」というフォルダが存在するか否かの違いのみです。
開発ツールについては通常版、軽量版とも違いが無いように見えますが、実際は軽量版の開発ツールは大半が起動しません。

WinPythonのインストールで展開されるツールの一覧

解凍によって展開されるファイルの一覧と、通常版、軽量版で動作するか否かを確認した結果が次の表になります。
起動して使えるものは〇、動かなかったものは×を記入しています。

プログラム名



概要
IDLE (Python GUI)Python実行用のコンソールプログラム
IDLEX×Python用の統合開発環境
IPython Qt Console×Jupyter と同じ対話型実行環境のデスクトップアプリ版
Jupyter Lab×Jupyter Notebookの進化版。
Jupyter Notebook×ブラウザ上で動作するプログラムの対話型実行環境。
Pyzo×Pythonの開発環境
Qt Assistant×Qtヘルプ形式のドキュメントの閲覧
Qt Designer×PythonでGUIプログラムの画面デザインするためのツール
Qt Linguist×Pythonプログラムを多言語化するためのツール
Spyder reset×Python分析向けのIDEをリセットするためのツール
Spyder×Python分析向けのIDE
VS Code××Microsoft の多言語対応統合開発環境
(別途インストールが必要)
WinPython Command PromptPythonのコマンドプロンプト(標準コマンドプロンプトベース)
WinPython Control Panel×ダウンロードしたパッケージをPython環境にインストールする
ツール
WinPython InterpreterPythonの対話環境
WinPython Powershell PromptPythonのコマンドプロンプト(PowerShellベース)
WinPython TerminalPythonのターミナルソフト(PowerShellベース)

WinPythonの起動方法

同梱される開発ツールは多いですが、その中でもよく使われるであろう5つを抜粋して簡単に説明します。

WinPython Command Prompt

WinPython Command Prompt.exe をダブルクリックすると、次のコマンドプロンプトが表示されます。
このコマンドプロンプトはPythonのパスが通っているため、pip コマンドによるライブラリのインストールや venvコマンドによる仮想環境の管理、PythonコマンドによるPythonインタラクティブ環境の起動が行えます。

WinPythonを使って生成AI環境を構築する場合、このコマンドプロンプトを使って各種コマンドを実行することになります。

WinPython Powershell Prompt

WinPython Command Prompt.exeのPowerShell版です。PowerShellに慣れたユーザーなら、こちらの方が使いやすいかもしれません。コマンド体系が PowerShellであることを除けば、WinPython Command Prompt.exe と同じです。

WinPython Interpreter

Pythonのインタラクティブな実行環境です。Python公式サイトからPythonをインストールする時に一緒にインストールされるPython コマンドプロンプトと同じく、Pythonのコードの入力と実行しか行えません。

Jupyter Notebook

Python技術者の多くが使用しており、様々な開発環境でも採用されている Jupyter Notebook です。
プログラム開発だけでなく、データ分析ツールとしても重宝されています。

Jupyter Lab

Jupyter Notebook の進化版です。複数のノートブックをタブで表示して切り替えられるほか、タブにコンソール画面やターミナル画面、MarkDownエディタなどの機能を割り当てて利用することができます。

まとめ

WinPythonは インストール不要のPython開発環境で、公式サイトからダウンロードした自己解凍形式のファイルを実行するたけで、Python環境が構築できます。
また、通常版と軽量版があり、用途に応じて使い分けることができるようになっています。

本記事では、WinPythonについて次の内容を紹介しました。

  • 最新バージョン/過去バージョンのダウンロード方法
  • インストール方法
  • WinPythonのインストールで展開されるツールの一覧
  • WinPythonの起動方法(インストールされるツール類の紹介)

通常版はAnacondaと同様に機械学習ライブラリが同梱されているため、解凍するだけですぐに始めることができます。一方軽量版は最小構成であるためインストールは必要ですが、必要最小限のPython環境を作ることができます。

複数のPytyonバージョンをいくつ入れてもお互いに干渉しないため、生成AIを試す環境にはお勧めです。